ビジネスにおいては、常に顧客の存在に左右される。取り扱う商材にもよるが、既存顧客には量・回数をより多くリピートしてもらい、やがてファンへと昇華する施策が常套手段とされ、昨今強調される顧客体験の充実などはその代表格といえる。

 

既存顧客へのメンテナンスも重要であるが、そもそも顧客の母数が貧弱であってはビジネスは成長しない。ひいては新規顧客となり得るリードを獲得し育成することで抜け落ちた顧客を補填し、数を保つことではビジネスは拡大する。リード獲得には集客が重要な要素となり、初手には広告の有効性が重要さを帯びる。読んで字の如く“広く告げる”わけだが、商材には必ず購買ターゲットが存在しているため、ひたすら広く多く展開するだけでは直接的なビジネス効果は薄く、費用も莫大なものになってしまう。自社商材の購買背景を深く分析理解するところから的確な広告戦略が始まるだろう。

 

BtoBのビジネスを展開する企業であれば、一般消費財に比べて購買背景や購買ターゲットを把握しやすい。訴求対象が企業組織であることからビジネスに特化しており、情報収集もWeb経由となる傾向が強く、特にWeb広告との相性も良いといえる。しかし実施すれば即リード獲得かなうほど単純ではなく、一筋縄では行かない。本書では、BtoB企業に特化して初心者にも解りやすく丁寧にWeb広告を解説する。Web広告全体のメリット・デメリットに端を発し、Web広告の媒体特性を、代表格といえる「リスティング広告」「YouTube広告」「Facebook・Instagram広告」の3つを俎上に載せてそれぞれの特徴・メリットを明確にする。後半では、BtoB企業の実事例が併記され月額予算も含めた詳細な運用結果を掲載する。Web広告未経験社にとって格好の教材となっており、今まさにWeb広告に取り組んでいる企業にとっても媒体特性をスッキリと整理できる内容となっている。