企業は多種多様な業務の連携で成立しており、それぞれの業務を的確な判断と効率的な手順に従って遂行することで生産性が担保されるので、手順においては熟考と検証を重ねた確かさがなくてはならないだろう。些細な項目であっても、業務における手順の浸透度合いが、最終的に企業全体の生産性の度合いとして露呈する側面もある。

 

従業員個々の役割に応じて、業務上の確かな手順を理解してもらう必要がある。研修や教育の充実が肝要となるが、業務に関わるすべてを口伝で伝えるのは限界があり、当然マニュアルを用意し、理解だけでなく作業に疑問が生じた際にも確認することで手順の確かさと学習機会を創出している。メールの設定など全従業員が利用するものと、基幹システムのバックアップなどは頻度も影響範囲も異なり、専門性が高く頻度が少ない項目ほど属人化傾向は強い。企業のあらゆる業務において、従業員が業務手順に疑問を持った際に容易にアクセスでき、疑問が解消されるマニュアルは、企業力強化の基盤とも言えるだろう。

 

近頃はデジタル化+ペーパーレスの流れを受け、ドキュメントベースの業務マニュアルから動画マニュアルを充実させる組織が増えてきた。動きが加わることで文字情報以上のわかりやすさが期待される。しかし動画マニュアルの使いづらさを訴える利用者の声も巷からは聞こえてくるようで、すべての動画マニュアルが効果を発揮しているというわけではないようだ。本書「動画マニュアルで陥りやすい落とし穴」では、動画ならではの優位性が発揮されない現状を分析し、課題解消と、あるべき動画マニュアル像について解説する。副題を「実は動画は万能じゃない」と題する通り、動画だけにこだわったマニュアル作成を誤った認識であると指摘する。確かに作業手順を撮影しただけの動画を延々と見せられるのは理解以前に苦痛と言えるだろう。本書では、動画・静止画・テキストを織り交ぜた閲覧者の立場に立った効果的なマニュアル作りのポイントを具体的に指南する。ご参照のうえ、さっそく実践してみてはいかがだろうか。