産業やサービスが劇的に変化するなかで、企業のありかたも多様化が著しい。そしてデジタル技術による“第四次産業革命”が世界的なトレンドになり、製造業だけでなく、幅広い業種業界に波及してきている。“革命”の中枢を成すのは「サイバーフィジカルシステム」と呼ばれるIoT/クラウドコンピューティング/コグニティブ・コンピューティングなどの最新デジタル技術である。
読者諸氏の企業でも、業務改革や生産性の向上をめざし、BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)やRPA(ロボティックスプロセスオートメーション)を導入する動きがあることだろう。先進的に多くのデジタル技術を導入する企業が相次ぐなかで、大半の企業は「企業改革」と「働き方改革」の両立を大命題として取り組んでいるが、目に見える成果が上がっていないと言う声を多く聞く。予算も人材も投入し、社内の制度やルールを刷新したが、肝心な生産性と従業員就労状況のバランスは一向に改善されない。なぜなら、「決定の速やかさ」「情報周知」など事業を推進するコミュニケーションに改善の手が伸びていないからだ。劇的な変革期ではあるが、デジタル技術はツールであって、企業の体を成すのは人であり、事業推進の要は企業内外で織り成す「人と人のコミュニケーション」にあることに変わりはない。
本書は、Web会議システムとして評価の高い「Cisco Webex Meetings」の概要から、具体的な使い方までを解説する。スタイルは、各種解説書として定評のある「できる」シリーズ特別版として制作し、目的・シチュエーション別に実際の画面画像を交え、わかりやすく解説する。既に同システムを導入している企業には、使い方指南・チュートリアルとして十分に活用できる。また未導入の企業においては、社内のコミュニケーション強化と「働き方改革」を推進させる契機として活用できる内容となっている。