新型コロナウイルスが世界に衝撃を与え、多くの領域は混乱に包まれた。そして国内初の感染確認から約3年が経過しようとしている。緊急事態宣言を受け、多く企業ではビジネスの停滞を回避するため、リモートワークの実施に急速にシフトした。

 

リモートワークの実現には、デバイスの課題やセキュリティをはじめとするテクニカルな側面ばかりか、今まで出社前提であった業務全般の見直しや運用ルール作りなど多くの試行錯誤を要した。リモートワークにも慣れ、業務に安定を得ている企業も見られる。今日では社内に一定のルールを設け、業務内容や裁量に任せたハイブリッドワークを採用する企業も実に多い。政府では3月13日よりマスクの着用を「個人の判断」とし、新型コロナも5類へと引き下げが予定されている。完全な収束とはいえないものの、企業においてもより柔軟な環境と多くの選択肢が必要になっていくのではないだろうか。

 

企業は徹底した非対面の業務実現を求められ奔走してしてきたが、業務の場として存在してきたオフィスの活用についてはあまり多くは論じられてはいない。本書ではMicrosoft Teams Roomsを基盤とするハイブリッドワークに合致した会議室の活用方法を提言する。リモートワークでTeamsは積極的に活用され、特に非対面なコミュニケーションに特化する。Teams Roomsでは非対面、対面問わず組織の内外でのコミュニケーションに有効性を発揮する。本書では、Windows版、Android版のTeams Roomsによる会議室のハイブリッド化のメリットを掲げるとともに、Microsoft認定ソリューションによるデバイスのポイントを展開する。以前より延々と議論されてきた“働き方”は柔軟性に富んだハイブリッドワークの実現によって新たな局面を迎えるように思われる。本書で示されるクラウド会議室テクノロジーへの賢明な投資は、時代の変化に敏感に応じる企業の指針となる内容となっている。