ブロックチェーンは、暗号化技術により情報を「ブロック」に書き込み、そのブロックのハッシュ値によって、ブロックのつながりと情報の正当性を保証するテクノロジー。分散型が特徴で、情報の履歴を残せ、かつ改ざんを防げる。

ブロックチェーンの活用例としては、「bitcoin」など仮想通貨/暗号通貨が最も有名だが、むしろ最近は、同分野以外での活用や、本稼働に向けた実証実験が盛んになっている。具体的には、サプライチェーンにおけるトレーサビリティや、情報へのアクセスやアップデートの履歴管理、株式の売買や価格の確認、引っ越しなどに伴う各種届け出の一括処理などが挙げられる。

デジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが進行する中でブロックチェーンは、イノベーションの阻害要因になりかねない古いインフラや業務システムを刷新し、これからの社会インフラを支える分散型プラットフォームとしての役割が注目されている。本稿では、ブロックチェーンの適用範囲の広がりを解説するほか、国内外で進む実証実験など、ブロックチェーン活用の最前線をお届けする。

併せて、キャッシュレス化や多様な決済サービスを生み出そうとしているFintechについても、最新動向と金融機関と取り組みについても、まとめている。ブロックチェーンとFintechの最前線を同時に読み解くことで、金融関連サービスの将来像が描けるのではないだろうか。

------------------

[広がるブロックチェーン]
第一三共ら、医療データプラットフォームの実現に
▶三井物産流通H、サプライチェーンに
▶積水ハウス、賃貸物件の入居手続きに
▶JCB、本人情報の流通・連携に
▶ノルウェー・シーフード協会、水産物のトレーサビリティに

[Fintech 動向] 
グローバルで激化するFintechのサービス競争
もう実店舗はいらない?

新型コロナが加速する金融業のデジタル化