業種業界問わず、顧客を見つけてビジネスを展開させるのはいつも難しい。自社商品・サービスと、顧客の要望や課題がマッチしなければ互いに時間を浪費するばかりになってしまう。
広告は時代とともに様々な形態を生み出し進化してきた。いかに見られるか?や、いかに目立つか? など人目の数を指標とする効果測定が長年にわたり、広告の主座であったように思われる。現在も一部の企業が大規模で広告を展開するように、誰もに広く知らしめる手法は残り続けるだろう。しかし、巨額の予算を投入しても、誰もが顧客となって自社のビジネスに発展するとは言い難い。自分に関連のないものに対して、人はすぐに忘れ、頻繁で強烈なプッシュがともなった場合には嫌悪感すら覚えることもある。なので企業が巨額を投じて得るのは大衆の嫌悪感であってはならない。指標とする数はユーザーが好むと好まざるに関わらず、見られた数ではなく、良好なマッチングによって積み重ねられるビジネス数であるべきだ。リスティング広告はWeb検索の浸透にともなって、ビジネスマッチング創造の場として発展してきた。ユーザーの検索→クリックという一連の能動的行動がともなう構造が、時間の浪費とミスマッチを回避する。事業規模の垣根を越えて展開できる利点もあり、多くの企業に利用されているが、日々緻密な運営を要するゆえに経験や種々のノウハウがなくては成果に結びつかないのは明白な事実だ。
本書は、リスティング広告の費用相場と適正予算の決め方についてレポートする。巷には多額の費用を投入したにもかかわらず、成果の伴わないリスティング広告を展開し続けるケースも散見される。ビジネスである以上、投資と回収はバランスは一定ではないが、少額の投資で得られる結果は高効率であっても少なくないものになるだろう。予算を決める初段から難度は高い。本書では、リスティング広告運用に才を発揮する専門代理店が、運用経験で得た知見に基づき中小企業の費用相場を開示する。また、費用相場のみならず、自社の適正な予算を決める上での勘所・指針を具体的に伝授する内容となっている。開示されることの少ないリスティング広告のノウハウについて言及される貴重な内容となっているので、スモールビジネスを具現化するためにも、ご一読をおすすめする。