日々の業務の中で、同じ作業の繰り返しに時間を取られ、やりたい業務に時間を割けていない――。多くのビジネスパーソンはこうした悩みを抱えている。Excelを使った集計やデータ入力などの事務作業は繰り返しが多く、本当に必要な分析や企画に費やしたい時間を奪っていく。しかも、そうした事務作業はミスが許されないためストレスが大きい。一方で、そのような業務はIT部門主導でシステム化するほど標準化されていないことが現実だ。

こういった課題の解決策として期待を集めているのが、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)である。大手を中心にIT部門主導で導入する企業も増えてきたが、その一方で、中堅企業などではIT部門主導ではRPAの導入に踏み切れないという声もある。「ひとり情シス」「ゼロ情シス」という言葉もあるように、そもそもIT部門の人手が不足している企業が少なくないからだ。

そのような背景から、現場部門主導でRPAを使い業務自動化に取り組む需要が増えてきている。ExcelやPowerPointなどのOffice製品やメール、Webブラウザといった基本的なツールを利用することがメインの現場業務に特化したRPA製品は学習時間も短く、IT部門が管理にかけるリソースも少なくすむ。

本書は、そもそもRPAとは何か、RPAの効果的な使い方の例を解説し、数時間の学習で簡単に始められる新しいRPAツールを紹介する。ツールの特長を生かすと、業務部門主導でもRPAを導入できる。現場の業務を見直し、人手不足や時間不足で後回しになっていた業務に着手するためのヒントを、本書で確認してほしい。