ビジネスの究極の目的は利益の最大化だ。近年さかんに提唱される生産性の向上は、組織内で見落とされがちな業務プロセスや時間などを改善することで企業内の利益につなげる。組織内の改善も重要だが、目に見える収益が上がってこそ、ビジネス利益といえる。

 

製造業に限らずいかに生産性が向上しようとも、市場からの需要に適確に応え、買い手にリーチしなければ収益は生み出せない。つまりは顧客がビジネスの基礎となり、目的へと通じる。ゆえに顧客に商品やサービスが売れる仕組みを摸索すべく、マーケティングへの取り組みが発展してきた。現代のマーケティングにはデジタルテクノロジーが重用され、顧客データはもとより顧客へのへアプローチにもデジタルの介在なくしては成立しない。そして今日多くの企業が当然のごとくデジタルによるマーケティングに注力している。

 

しかし、必ずしもすべての企業が成果をあげられているわけではない。“あたりまえ”に慣れすぎてしまい、各種マーケティング施策も成果が上がらず課題を感じつつも“この程度”と見切りをつけてはいないだろうか。本書「メールマーケティング施策事例集」は、マーケティングオートメーション(MA)を活用したメール改善事例を紹介する。MAの導入による効果は運用がカギを握る。本書では「グッズ売上最大化」「既存会員へのECサイト新規来訪促進」「登録者数最大化」の3つの事例を掲げ、運用・施策ポイントと支援概要が明示される。生産性向上への取り組みと同様に“見落とされがちな”既存の顧客データの扱いや顧客の興味関心など、見直しと気づきを喚起させる内容となっている。利益の芽は既にあり、より効果的な活用がビジネスを躍進させるだろう。メールマーケティング実践企業の関係者は、是非とも本書をご一読いただきたい。