ビジネス領域における企業のデータ活用が声高に叫ばれるようになって久しい。当初は一部の大企業に限定されるような傾向もあったが、今日では業種業界・事業規模を問わず、企業の躍進に欠かせない手段であるという考え方は、十分に浸透している。しかしデータにより今現在の状況を把握して素早い意思決定とアクションに繋げられるように活用することは容易ではない。

データ活用のためのツール・製品の充実が著しいものの、活用実践レベルに到達している企業は意外にも多いとはいえない。おそらくは、機能・価格の選択肢の多さによって選びにくい状況に陥っていると思われる。データ活用の礎といえるBI製品の特性から、価格云々以外にも「手に余る」「機能が足りない」などの事態は企業の命運を左右することもあり得るので、失敗は許されず慎重に慎重を期してしまう企業側の心理も推察される。

本書は、企業におけるBI製品選びについてガイドし提案する。選べない状況にある企業の多くは、得てしてBI製品を並べて比較検討からスタートしてしまい、機能や価格条件等から選択候補を絞り込む動きが多く見受けられる。多数リリースされるBI製品の機能は近年同質化しており、機能の差異だけに注目していると自社に最適なBI製品を選び抜けないと本書は指摘する。そこで観点を二軸に置き、BI製品が使われる自社の業務シーン掘り下げの重要性について具体例を掲げて解説する。BI製品の導入に悩む企業のみならず、導入済みBI製品の運用に悩める企業においても本書をご一読いただき、さらなるデータ活用実践を推進していただきたい。