一昨年までは、「行列のできる~」という表現が店舗やサービスの人気の高さを示していた。集まってくる人は多ければ多いほどよく、対面だけでなく電話応対やメール返信などで予約を受け付けていた。従業員による人的対応なため、営業時間内のみの受け付けであり、時間外は機会損失となる。また受け付け数が増えれば増えるほど、対応する人数が増え、売り上げ増にともなう人件費増というジレンマも発生していく。

 

そして新型コロナウイルス感染症の世界規模の拡散で、世の中が大きく変わった。「人流」を抑えることが至上命題となり、リアル顧客を前提としていたビジネス形態は危機的状況におちいった。極力ネット上で完結する施策が採られる傾向にあるが、店舗やイベントは人がリアルに来訪することでビジネスが成立しネット上で完結は難しい。効率よく、顧客サービスは厚く、密を避ける、この3点がリアルに軸足を置くビジネスのニューノーマルを拓くカギとなるのではないだろうか?

 

そこで本書は、店舗・企業向けオンライン予約システムを紹介する。コロナ禍によって、各種店舗の来店事前予約などのサービスを展開する企業も増えてきた。ユーザー視点では使い勝手などに不満が生じるケース散見される。また、予算やITリテラシーの問題から、オンライン予約を実施できない組織も多く存在する。そこで本書では、無料枠も用意されるオンライン予約システムの製品概要とアンケート、顧客管理、決済、API連携など多彩な機能紹介をするとともに、店舗と区役所の2つの導入事例を展開していて、検討・導入の参考にふさわしい内容になっている。